東京・春・音楽祭 鈴木大介ギター・リサイタル

 東京・春・音楽祭「鈴木大介ギター・リサイタル~武満徹の世界」(4月2日 上野学園石橋メモリアルホール)。ギタリストの鈴木大介さんとは共通の友人も 多く、アーノンクールの『音楽は対話である』の拙訳(アカデミア・ミュージック)を読んでくださっていることもあって、お会いするといろいろお話しをさせていただく。いつも知的な好奇心でいっぱいの、活動的で創造的な音楽家だ。そんな大介さんが、今年の「東京・春・音楽祭」でオール・タケミツ・プロのリサイタルを行なった。

 《エキノクス》や《フォリオス》な どのシリアスな作品の間に、武満が編曲したビートルズのヒットナンバーや《早春賦》などの歌を集めた《ギターのための12の歌》を鏤めるという、大介さん らしいプログラミング。もう一つの「らしさ」は、演奏の際の集中力。聴き手が身じろぎも出来ないほどの緊張感のもたらす、清浄で静謐な空気感はとても気 持ちがいい(暗譜による演奏も、この緊張感と関係があるかもしれない)。こうしたアトムスフェレは、磨き抜かれたギターの音色や無駄のない 表現と調和しているし、なにより武満徹の音楽にふさわしい。最初はあまりの高いテンションからかわずかに硬さが感じられたが、次第に自在さを増し、ポップス作品で はスウィンギーで洒脱な一面も。もとより、武満のモダンな編曲は、まったく通俗的ではないが、ギターから毀れ落ちる音色の向こうに、作曲家武満 徹の、晴れ渡った天空のごとき清澄な心を垣間見る思いがした。パンフレットの武満真樹さんのエッセイ「作曲というパーソナルな行為」もすてきでした。

by Musentanz | 2014-04-15 09:03 | コンサート


コンサート、美術に映画に読書~音楽評論家那須田務の音楽を中心としたエッセイ


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